鬼滅の刃が連載終了し、ハンターハンターのジャンプ連載再開が望まれるというネット記事を見かけたので書こうと思う。
情報量が多く、読むのに体力がいるハンターハンターというバトル漫画。
そんなハンターハンターの中でもとりわけ情報量が多くそれでいて面白さもたっぷりの限界ぎりぎり、漫画というコップがなみなみで表面張力によってこぼれないレベルまで行ったのがキメラアント編である。
キメラアント編でバトルマンガとしての体裁を保っている、敵のキメラアントの王の直属部隊のユピーとの戦いについて取り上げる。
主人公のゴンのチームが敵の本拠地に突入するところから、ユピーとの戦いが始まる。
主にユピーと戦うのはナックル、シュート、メレオロンである。
ハンターハンターでは念能力という特殊能力を使ってバトルが繰り広げられる。
ナックルの能力は殴った相手に数字のついたポットクリンというものをつけ、時間の経過によってその数字が複利的に増えていき相手の能力を上回る数字になったら相手の力がなくなるというもの。
ユピー戦はナックルの能力が最大限漫画の面白さとして活かされた演出がされていた。
漫画のコマに0:00:00:96のように時刻が書かれている。
ちなみに12時きっかりに突入であった。そして10秒とかそのレベルのほんとにわずかな時間を丁寧に描いていく。
そのことによって緊迫感がすごい。また情報量もたくさん詰め込める。すごい戦いになっている。
メテオロンの能力は息を止めている間だけ、気配と姿を消せるというもの。それによって読んでいるこちら側も息苦しい緊迫感が感じられる。同時にタイムリミットサスペンスの要素もメテオロンにも出てくる。
ユピーは圧倒的な力を持ったキャラクターとして描かれている。まれに漫画とかで、力の差が比べることもできないレベルで違いすぎる、本当にどうしようもない敵というのが出てくるがそれである。
普通そんなキャラクターがでてくる話であれば負け確定でこいつはすごいと強さだけを見せるシーンだったり、逃げるっていう展開になる。
だが今回はナックルの能力によって唯一の可能性そしてそれにかける作戦で進んでいく。ここも面白い。
そういうバトルマンガとして展開していくのだが、最終的にユピーが精神的な成長、大人になるというところで文学的な意外な終了を迎える。こういうところも含めて全部盛りがすごい。
ハンターハンターの再開に期待だ。ただ、今やっている暗黒大陸編は情報量が過剰すぎてこぼれている。難しすぎる展開なので真剣な読み込みが必要です。