映画

バトル・ロワイアル たけし以外全員モブだった映画の感想

HULUで見る。ランダムで選ばれた学校の1クラスが島に送られそこで、残り一人になるまで殺し合うという話。

原作小説は読んだのが大分前なので記憶が不確かではあるが、傑作であったと記憶している。

ぶ厚い本なのだが一気に読ませてしまう力のあった。

そして今回取り上げるのが、公開当時、R指定的な問題で話題になった映画版。

ビートたけしが先生役でバトル・ロワイアルの運営側をやっている。

正直な感想として、この映画はたけしの出てくるところしか面白くない。

そしてそれらは原作には無かった要素であり、映画化において追加された部分である。

まず最初のたけしのシーンが秀逸だ。

ヒロインの中川が遅刻して教室にはいると、他の生徒は誰もいず、先生役のたけしと、生徒によって黒板に書かれた自主休講しますという文字が見える。

そのままたけしは教室を離れるのだが、そこでナイフを持った生徒に刺される。

普通だったらわーきゃーとなるところだが、たけしは騒ぐこともなく静かに廊下にある水道に傷を洗いに行く。

怖い。怖い人間だということがありありと伝わるシーンだ。

そして修学旅行中に生徒たちが拉致されて、目覚めたら島の学校の教室いる。そこでたけしが現れ、みなさんに殺し合いをしてもらいますという、ゲーム説明のくだりまでがこの映画のピークであった。

バトル・ロワイアルが始まる。

そこからはわりと原作通りで40人の生徒たちの死を、省略もなく一人一人追っていく。

唯一、セックスがらみのところだけ何かあったなっていう引きの絵だけで処理していたけれど。当然、映画でそれを丁寧にやろうとしたら尺がたりない。

やるにはロードオブザリングほどの長さがいるだろう。

なので原作の面白い要素、それぞれのバックグラウンドとか気持ちの流れとかはほぼ削られている。

そうするとストーリー的な面白さがない状態になる。

映像としてホラー的アクション的な面白さ、つまりはそこのシーンだけ切り取って見ても面白いっていうものがあればいいのだが、そこも薄い。

デブの赤沼君の放った矢が首に刺さった状態の女子が主人公の前に出てくるシーンは面白かったがそこだけであった。

たけし以外みんなモブ。映画バトル・ロワイアルの勝者はたけしであった。