古くても名の残ったホラー映画は、怖かったり、怖くなくても魅力的だったりするというのが今まで沢山映画を見てきたなかで僕の経験則であった。
例えば、死霊のはらわたは超怖かった。悪魔のいけにえは怖さもあるし、最後はなんか詩的ですらある魅力があった。シャイニングは怖くはなかったが、おしゃれというか絵的に魅力的、血の洪水とか双子とかのシーンが印象的で魅力的だった。
そんな中、有名な13日の金曜日を初めて見たのだが、怖くもないし魅力もなかった。
えっ、パチもん見てるのか思って、ちょっと調べてしまった。しかし見ていたのは14日の金曜日ではなく、間違いなく13日の金曜日の1作目であった。
まず前半がつまらない。ホラー映画のおもしろいところって、お化けが出てきてそれがドッキリ的に怖かったり、ぎょっとする殺しのシーンだったりするわけだが、ただ単にナイフでシュッというつまらない殺人シーンが続く。
キャンプでの若い男女の話であり、その関係性を描いてるんだけどその話自体がつまらない。
そして描かれた恋愛模様は、別に回収されない。キャンプのリーダーみたいな人が女性に好意を寄せているシーンがあるのだが、最終的に彼らは全く一緒にならないし、別のところで死ぬ。その時もあの子を助けなきゃみたいなシーンすらない。
だったら前半すっ飛ばしてもいいじゃんとなる。
最初の殺人で若い男女がセックスしようとしているところにお化け的な何かが突入していくのだが、若い男の方がいやこれはちょっとみたいないいわけをお化け的な何かにする。他にもヒッチハイクをのせてくれたりするのでこれは、お化け的何かは話が通じるようなものでこの映画はホラーっていうよりサスペンス的な話なのかなと想像させる。
最後このお化けの正体は、実は味方だと思ってた彼でした、テッテレーみたいなそういう展開を初めて使った作品だからこの映画は歴史に残ったのかと勝手に妄想して納得していた。
しかしお化けの正体が明かされると、えっ誰?このおばさんっていう知らないおばさんが正体だった。
唯一この映画で面白かったのは、セックスをしている男女を映していたカメラが引いていくとそのベッドは2段ベッドで上の段に仲間の死体が横たわっているシーンだ。ぎょっとしてちゃんと怖かった。
このシーンはそのあと配置がわかるような絵はない、おそらく引きの絵があると彼らが上の死体に気づかないことがあり得ないとわかってしまうからだ。そう考えると無理矢理の作りだなと思う。
意外だったのだが、この一作目では13日の金曜日から連想するホッケーマスクを被ってチェーンソーを振り回すジェイソンは出てこない。
だから13日の金曜日が本領発揮するのは2とか3とかなのかもしれない。なのでそれを見てから語れよということかもしれないが、1がつまらなかったことはここに書いておこう。