HULUで5話まで鑑賞。なんの事前情報もなく、タイトルが虚構推理だったのでファンタジーのなかで推理する話かなと思って見始めた。
そうすると想像と違った話が展開され、そして同時に別の作品がどうしても思い浮かぶ作品であった。
京極夏彦の小説、百鬼夜行シリーズだ。
百鬼夜行シリーズでは京極堂が饒舌に語り、憑き物落としをしていく。
憑き物落としとはそこにいる人に対してその人に伝わるように語り事件を明らかにしていく。
怪異だと思われたことを現実に起きたこととして明らかにする。
虚構推理の主人公岩永琴子は京極堂の役であり、百鬼夜行シリーズを読んでいれば、絶対意識しているなとわかるレベルだ。
5話の口さけ女の説明なんて、百鬼夜行シリーズのうぶめの夏のダイダラボッチの話くだりのほぼパクリだ。
百鬼夜行シリーズに実際妖怪が出てくる設定をくっつけたのがが虚構推理という作品だろう。
3話から最終12話までの話が鋼人七瀬という怪異の話で、2話と3話が水神の大蛇の話なので見たところまでで語れる水神の大蛇の話を語ろう。
水神の大蛇がすむ池に死体が投げ込まれた事件の真相を、大蛇が知りたいと岩永琴子に依頼し、その真相をひたすら岩永琴子が大蛇に語るっていう話。
そして大蛇が納得するっていうところが本質的な解決になる。
で大蛇が納得したあとに、タクシーで琴子がツレの半分妖怪の青年と帰るのだが、そこで語られることがこの物語のキモの部分である。
つじつま合理性のある答えを大蛇に伝えて納得させたが、私は実際は違っていただろうと思う。
そもそも問題になっていた台詞も大蛇の聞き間違いの可能性だってあると語っていた。
琴子が語って大蛇が納得することが憑き物落としである。
それこそが解決であり、真実かどうかはさほど重要ではないということなのだ。
この基本のゴール設定がお話として面白い。
ただ何で大蛇が真実をそこまで知りたがっていたのか、解決する意味が必要だと思うが、それは全く描かれていない。そういう意味では作りが甘いと思う。