純文学の入門として、芥川賞をとった「コンビニ人間」を読んだ。
なぜ読んでみようと思ったかというと、
YouTubeで王様のブランチに出てたあかりん(斎藤明里)が純文学を初心者に紹介しているのを見たからだ。
純文学とは?
あかりんが純文学とはどういうものか解説していた。
純文学とは私の物語。
どちらかというと不器用な人物が生きづらいどうにかこうにか自分のことを考えながら世界に対話しようと思ってアクションを起こす。
そのアクションの取り方がめっちゃ不器用だから、なにかしらちょっとへんなかたちになることが多い。
例えば暴力的になったり、突拍子のない行動をしてしまったり。
そんなふうに、わっと主人公から出てきたエネルギーが読んでいる人にカタルシスをもたらしてくれる。
そういうものが純文学なんだとあかりんは語っていた。
つまりは純文学って、ホラー映画とかのように割と型が決まっているんだなと思った。
自分は純文学って言うものに詳しくないが、映画には一時期はまっていて主人公が突拍子もないことして終わる系の映画、例えばタクシードライバーとかが名作とされてるけど自分にはあんまよく分かんねえなとずっと思っていた。
あかりんの純文学の解説を聞いて、
ああ、なるほどと、ああいう映画の楽しみ方って純文学のそれと一緒なんだろうなと、すごく納得がいったのだ。
動画で、純文学の入門作として三冊「銃」中村文則、「コンビニ人間」村田沙耶香、「乳と卵」川上未映子があげられていた。
純文学に興味が出た僕は、その中からコンビニ人間を電子書籍でポチッと買ったのであった。
コンビニ人間どんな話
コンビニ人間がどんな話かというと、
主人公、古倉恵子は、よくSF作品とかで描かれる宇宙人のような、合理性、科学的な価値観を持った女性。
世間から変わっている、変だと言われ生きづらい人間が、コンビニ店員という形で社会との活路を見いだした。
そして時は流れて、そのままコンビニ店員を続け36歳になった主人公が周りの人、世間と関わっていくお話。
感想
端的に面白かった。
まず物語として出てくるエピソードが、全部面白い。
どうでもいい展開とかがまったくない、全部フルスイングだった。
そんな物語の中でで僕が特に印象に残ったシーンが2つある。
一つは、コンビニ店員として、はじめての接客で、おばあさんに営業時間について聞かれたやりとりのシーン。
後ろの店長のフォローを受けつつも、完璧に対応できた主人公。
そこで社会の一員にようやくなれたという充実感を感じるシーンだ。
社会の中で働くっていうことうまくできたということに高揚感を感じるのはすごく自分でも分かるなあと感じた。
純文学の楽しさ
先ほどの動画であかりんが純文学の面白さについても話していた。
純文学で、この主人公には感情移入できないとか、共感できないとか、本のレビューに書かれていることがよくあるんですけど、
純文学は感情移入する必要は無いんです。
ただ主人公の行動の一瞬の気持ちだったり、何か一部分でもリンクするところがあればいい。
読んでみて面白かったーってなるのがエンタメ小説の楽しさであり、
この文章よかったな、この登場人物感情よかったな。
自分の人生に何か残るようなもの。
読むと世界が変わったように見えるのも純文学の良さです。
もう一つは、お話の最後、初めて寄ったコンビニで、主人公が心の暴発によりある突飛な行動を起こすシーンだ。
こっちはやっぱりわかんなかった。
でもこれがつまりあかりんが言っていた純文学の面白さなんだろうなと思った。
純文学の楽しみ方を少し知れた気がする。
純文学入門成功だ。