チェンソーマンを今出てる最新刊10巻までまとめ読みした。面白かった。
ダークヒーロー冠される作品だが、僕はこの作品の根底には人間の生活というものへの愛だったり、やさしさが流れていると思う。
食パンにジャムぬって食べられれば幸せ
1話で主人公デンジは食パンにジャムぬって食べることが夢だという。
こんなふうに普通に飯を食うことが目標だとか夢だとか言う少年漫画主人公がいるだろうか。
海賊王を目指したり、復讐のために鬼舞辻無惨を討つとかいうのが普通なはずだ。
これはつまりチェンソーマンという作品がが普通に暮らすことが、素晴らしいことなんだと描いているのだ。
心がないのではないかと悩む
仲間のアキが大切な人を亡くして、泣くシーンがある。
そこでデンジはアキが泣いているのに気づき、自分は全然泣けないんだけどと自問する。
ポチタが死んだときは悲しかった、もしパワーが、アキが、マキマさんがと考えても、
多分俺はしばらくへこむけど、3日後には楽しく毎日過ごせると思う。
朝昼晩食って風呂は入れれば俺は最高だからと。
人間の心がないのかもと悩むが、デンジはシリアスなことは考えるのやめよとすぐ自己解決する。
この自問自答のシーンはストーリーという点では無くてもいいようなシーンであるけど、作品が描くものにとって大切なシーンだ。
そもそも自分がやさしくないのかなと悩んでしまう事自体が、まずやさしいと思う。
そして「楽しくねえこと考えても、楽しくねえだけだからな」とデンジがいい、
悲しめなくても、気にしなくていいんだよと描く。
SEKAI NO OWARIも、Hey Hoという曲でこう歌っている。
例えば君がテレビから流れてくる悲しいニュースを見ても 心が動かなくても それは普通なことなんだと思う
誰かを助けることは義務じゃないと僕は思うんだ 笑顔を見れる権利なんだ 自分のためなんだと と。
チェンソーマンはやさしい漫画である。
読みやすさがいい
あと全巻通して、テキストの量が少ないのも魅力的だ。
絵で語ったり、ストーリーの運びが上手なんだと思う。
セリフが多すぎて、漫画読んでんだか、文章読んでんだかわからないという漫画が多い中、読みやすいし、それでいて話も深いから、何度も読んでしまう。
11巻で一旦完結らしいので、巻数も少ないので手に取りやすくおすすめです。