僕のヒーローアカデミアのアニメ72話レッドライオットの回が完全に心にぶっ刺さった。
やっぱりヒロアカはすごい。
少年漫画なのに心の機微みたいなものを丁寧に描いている。
切島鋭児郎の過去のエピソードの回なんだけど、
この回の少し前の切島が必殺技アンブレイカブルを初めて出した時に過去のフラッシュバックのシーンがあって、
断片的映像だったので、よくはわからなかったけど、
切島にもなんか重いエピソードがあるんだろうなって思って見ていた。
「切島的にはさあ、あの時のこと辛かったんだね」芦戸三奈
凡百の普通の漫画だったらキャラクターにそんなフラッシュバックのシーンがあれば、誰かが死んだとか、救えなかったとか、そういう「重い」エピソードがあると思う。
しかし、切島の過去として明かされたエピソードは、正直起きていることだけを、はたから見たら大したことない話だった。
同級生の女子が巨大なヴィランっぽい男に道を聴かれて怖がっている、
たまたまその場に居合わせた切島は恐怖で立ちすくんでしまった。ただ見ているだけで何もできなかった。
そのすぐあと同級生の芦戸さんが現れ、そこに割って入ってその場を収めて、助けたという話。
この騒動の中で暴力は、一切出てきていない。
そこにいた人にとってこのエピソードは、大したことじゃなかったかもしれない。
下手すれば忘れてしまうような出来事かもしれない。
でも切島鋭児郎にとってその出来事は決して忘れられない
人生を変えるような出来事だったのだ。
そうゆうのって実世界でも本当にあるよなあと思うのだ。
僕にもあの時の飲み会でのあのシーンが忘れられないってことがあるもの。
そしてそれがその後、その人の人生に影響を与えることはあると思うのだ。
切島、ファットガム VS 乱波、天蓋
その切島の過去の回想が挟まれる戦いもすばらしい。
切島がヒーローのファットガムと強力な敵、乱波と天蓋と戦い、
開始早々、乱波の強力なパンチでぶっ飛ばされる。
圧縮訓練で身に着けた体の硬化を最大限に高める必殺技、「アンブレイカブル」もあっさり敗れてしまった。
切島は心が折れかけてしまうのだが、あの時の自分の無力さを感じた経験が心に浮かび、
再びファットガムと乱波が戦っているところに飛び出ていく。
ここも普通の漫画だったら、気合の力でそのまま切島が敵ををぶちのめすはずだ。
しかし切島がバシーンと乱波を倒すことはない。
切島はなんとか敵の猛攻を少しの時間耐えてまた倒れてしまう。
敵の天蓋からは「無意味なことを」と言われる、
ファットガムが「無意味やないで」と言い。
切島が戦った時間がファットガムの反撃の必殺技のタイミングを作っていて、そこでファットガムが乱波をぶちのめす。
ここで勝負が決まる。
この話は、あの時立ち止まってしまった自分から、立ち向かえる自分になったその気持ち、男気が、実力とかそんなもんは関係なく勝利を呼び込んだということになっている。
号泣である。