ドラマ

仮面ライダーW 唇にLを 演技の要素で作品が持つイメージまで変わる

コメディ要素が多目で作品としての完成度の高さから、平成ライダーでも人気の高い仮面ライダーW。

2話完結なので取っつきやすさも好印象で、若き日の菅田将暉も出てきます。

その中から今回取り上げるのが、壊滅的に才能のないストリートミュージシャンのジミー中田くん19才と彼の唯一のファンアラサー女性の話。

もうこのキャラクター配置の時点で面白そうでしょ。

最後にこの二人が近づき抱き合うのだが、そこでの映像に含まれる情報の多さから単純な感じではなく深みのあるシーンになっていた。

あらすじとしては怪人の能力でテレビの音楽オーディション番組で、審査員の心を操ってジミー中田が合格していく。

そしてそれはファンのアラサー女性が必死に稼いだお金を払うことで怪人にしてもらっていたことだった。

でそれが暴かれ、その事実を知らなかったジミー中田にもわかってしまいショックを受けるジミーだった。

がしかし、仮面ライダーに諭され、彼女の大切さに気づき、洗脳されていない審査員の前で彼女に届けるように歌を歌う。っていう話。

そして審査員に歌は下手だったと酷評と、ただ気持ちは伝わったと労いを受けた。

その舞台裏で出会い抱き合う二人。

ここが俳優として演技が下手なのか、意図的な演技なのかわからないけど、ちょっと距離のある感じと、苦味のあるような感じを視聴者としては受ける。

確かに夢破れてみたいな要素もあるので、間違いではない。

子供向け番組なんだからもっとわかりやすくハッピーエンドでもいい気もするが、この余韻も含めてこの回の面白さになっていた。

演技の要素で作品が持つイメージまで変える。

脚本自体はこの回はすごく優秀だと思うが、そこに偶発的、おそらく偶発的なのではないかと思うが別の要素が入ることでより作品の一人で考えでできていないことで深さが増す。

化学変化というものがあるものだと思った。