めしばな刑事タチバナは現在38巻まで出ているグルメ漫画。
身近なチェーン店の牛丼の話だったり、
最新刊で取り上げられていたものでいえば、スーパーで売っているようなチョコレートの話だとかを、
実際の商品名を出しながら、食べ物に詳しい刑事タチバナを中心とした警察のメンバーで語られる物語。
読者と地続きな世界のグルメ漫画
そもそも身近な食べ物を題材にするというアイディアが面白い。
他のグルメ漫画と違って、もし出てきた食べ物が気になったら実際食べることができる。
逆に食べたことがあるものであれば、読者としてその食べ物に実感がある。
現実の読者の世界と地続きで奥行きが生まれる。
言ってしまえば、めしばな刑事タチバナは3Ⅾグルメ漫画だ。
とんでもないダサい例えが出てしまったが、ぜひ面白いので読んでほしい。
人間の描き方がすごい
もう一つのいいところとしては、キャラクター、人間を描けている。
感情ですらない、ニュアンスレベルの部分も描けている。
あえて、それを最新刊からあげていこう。
タチバナが刺身のつまの透明な海藻を語る回があった。
先輩の刑事に、その透明な海藻の名前思い出せます?と、言われれば知ってるんですよのテンションで話していく。
しかし実際、グルメの常識があがってしまったタチバナだから知ってるだけで、先輩の刑事を含め一般の人は知らないものだ。
ただそんな雰囲気になってしまったものだから、タチバナからその名前が出たときに、
先輩刑事はあー、ああーと知っている感じを出してしまう。
もはや、感情、心の動きを書いてなんぼなエッセイ的な話である。
人間の感情の機微を漫画でかいていてすごいと思う。
ちなみにその海藻の商品名は海藻クリスタルだということだ。
さらに余談だが、マツコ有吉のかりそめ天国で四千頭身の後藤が家族で旅行に行く企画があった。
そこで後藤の母が、高級料理店でここで一番おいしかったのは何?ときかれたときに答えたのが、確かその透明な刺身のツマであるそれだった。